2025/07/22 19:35

もともと、toctocはベビーキッズ向けのニット小物を制作・販売するブランドとしてスタートしました。

若い頃も編み物には触れたことがありましたが、本格的に始めたのは子どもが生まれてからです。
編み物は本当に楽しい。
飽き性で熱しやすく冷めやすい私がもう10年以上編み続けています。

そこまでどっぷりハマったのは、海外の編み物コミュニティサイト、「ラベリー」を知ったことが大きいです。
それまで、日本の編み物本を見ることが多かったのですが、日本のそれはとても丁寧で1から10まで全部細かく載っていました。
逆にいうと、1つでも間違うとダメなような気がして(もちろんそんなことはないのですが)始めた頃はとても頭でっかちに編んでいました。
ところが、海外のニッターさんが公開している編み図は、そもそも図解なんてほとんどなく文字だけ。

〇〇cmになるまで編む
〇〇cmになるまでに〇〇目減らす
のようにとってもアバウト!!

作り目も綴じ方もみんな自由にどんどん新しい技法を自分で考え発信している。
頭でっかちになっていた私には本当に目から鱗でした。

英語の編みパターンも慣れれば私にはそちらの方が向いていて、自分でデザインを始めてからも
レシピノートには英文パターンで書いていました。

当時感じた、
自由に編んでいいんだ!
という気持ちを大切に、デザインには異素材を使うこともありました。
例えば、チュールを割いたもの・革紐・PVC・スマホケースなど。
ありがたいことに販売していたサイトでは特集に取り上げていただいたり、コンテストにノミネートしていただいたこともありました。

そのコンテストで、登壇された方がおっしゃった何気ない一言、
ハンドメイド=ほっこり=編み物

それは、ポジティブな文脈で使われていたのだと思います。
でも、私にはなぜかその言葉が心に引っかかりました。


ちょうど子どもの成長とともに、自分も身につけられるようなアクセサリーを作るようになった時期。
その頃、自然とワイヤーという素材に惹かれ始めていました。

思えば、「ほっこり」のイメージに対する違和感が、素材選びに大きく影響していたのかもしれません。

編み物はほっこりだけなんだろうか。
新しい可能性はないんだろうか。

どれだけ細い糸を使用しても私の技術では優しくなりすぎてしまう。
それは良いことでもあるけれど、もう少し凛としたかっこよさを纏ったものも作ってみたい。

ワイヤークロッシェという技法は以前から知っていましたが、当時主流のデザインは私のイメージしているものとは少し違う。
糸を編んでいた経験があるからこそできる編み方があるのではと思い、試行錯誤を重ね、自分なりの方法を構築していきました。

はじめはまだ、糸を編む合間にワイヤーを編んでいた程度でしたが、
あの言葉をきっかけに、ワイヤーアクセサリーの制作に本格的に取り組むようになりました。


読んでくださりありがとうございます。
続きはまた...


当初作っていた手編みの麦わら帽子。今見ても好きなデザインです。